2008年10月25日土曜日

日本語と英語の文書構造の違いを理解し、英語論文を書く難しさを理解する

日本人の学生にとって、英語の論文が書けるようになることは、とてつもない大事業です。学生は実験だけをして、英語論文は先生に書いてもらって大学院を卒業する人もたくさんいます。 僕自身も修士課程では、論文の書き方をきちんと教えてもらったことがなくて、博士課程に入って今の日本の指導教官に教えてもらうまでは、全くきちんとした論文が書けませんでした。僕は、英語論文が書けずに卒業できてしまう大学院のシステムには、かなり問題があると感じています。

英語論文は、英語の文書でもあるので、すべてパラグラフに則って書かれる必要があります。もしここで日本語と英語の文書構造の違いが深く理解できると、僕に留まらず、英語論文を書くのが難しかった一因が分かるようにもなり、多くの日本人にとっての対策も見えてくると思います。

それで先日の話、日本の「芸能人と有名人のBlogには、パラグラフがないことが多い」を友達のアメリカ人に言ったら、かなり驚いていました。友人曰く、「芸能人や有名人でも、アメリカ人は、パラグラフに則って書けるはず」とのことです。

なぜ書けるかというと、小学校から文書のトレーニングを受けているからです。まず小学校3, 4年生から、しっかりした論理構造で書けるようにトレーニングを受けていくようです。そのトレーニングは、小学校から始まって、大学にまでも続いていきます。大学や大学院の入試でも、エッセーを書く必要があって、「エッセーの構造がうまく整理されて書けているか」で評価されると聞きました。

英語の文書のほとんどが、パラグラフに則って、整理されて書かれます。前も言ったけど、たとえBlogやメールでさえも、整理された形で書かれます。Amazon.comのレビューでも整理されて書かれます。Amazon.co.jpにあるレビューの書き方とは、全く違う様相を示しています。 英語の文書のほとんどが、パラグラフの形に整理されて書かれることに、本当に強い驚きを感じざるを得ません。日本語では論理的に整理して書くことが、求められていませんからね。

アメリカ人にとっては、日々パラグラフに則って書く練習をしているので、論文を書くのも簡単ですよね。ヨーロッパ系の人にとっても論文を書くのは、日本人よりも簡単だと思います。なぜかというとヨーロッパ系の言語も、おそらく共通の文書スタイルを持っていると思いますので。

日本人にとって、英語論文が難しいのは、英語と日本語の論理構造の違いにありますね。アメリカ人が小学生から始めている論理構造の勉強を、大学院生になってから始めるので、英語の論文書きは、時間がかかって、大事業になるはずです。

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