2008年10月11日土曜日

大学ランキングの作成方法とその正当性

日本の高等教育力、世界6位=大学トップ200に10校-英情報会社
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000078-jij-soci
というのを読みました。

僕は自分がよく理解できないランキングは信じないのです。それでこの大学ランキングを理解するために、どういう方法でランキングをつくったのか、大元までさかのぼって調べてみました。

結論から書くと、まずまずの納得できる調査方法が使われていて、大学ランキングのひとつの方向性を示しているとは思います。
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実際の元のソースはこれです。Times Higher Educationというところが発行しています。
Table: The world's top 200 universities
http://www.timeshighereducation.co.uk/hybrid.asp?typeCode=243&pubCode=1

さらにそのTimes Higher Educationは、Quacquarelli Symonds Ltd.という会社のデータを使っていて、さらにその会社までさかのぼると、ようやく詳しい調査方法が載っていました。http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/methodology/

こんな感じのデータを元に、ランキングを作成したみたいです。

  1. Academic Peer Review (40%) Composite score drawn from peer review survey (which is divided into five subject areas). 6,354 responses in 2008.
  2. Employer Review (10%) Score based on responses to employer survey. 2,339 responses in 2008.
  3. Faculty Student Ratio (20%) Score based on student faculty ratio
  4. Citations per Faculty (20%) Score based on proportion of international faculty
  5. International Faculty (5%) Score based on proportion of international students
  6. International Students (5%) Score based on research performance factored against the size of the research body

で、詳しく見ると、この40%の割合を占めた1.のPeer Reviewの調査方法ですが、Online(インターネット)での投票みたいです。それって、専門家の調査と言えるのか不思議です。多数の人が投票したであろう人は、英語圏の人のはずです。そして英語圏の大学は、英語圏の人が名前をよく知っているので、その大学の評価が高くなるのは当然ではないでしょうか?日本人が英語のランキングに投票する絶対数が少ないはずで、あんまりフェアじゃないですね。

3-6までは、教員の学生に対する割合とか、教育一人あたりの被論文引用数、教員と学生に占める外国人の割合、に基づいた評価だったので、納得できました。

3-6はよいので、なんらかの指標にはなります。40%を占める、1のPeer Reviewをやめるか、改善すれば、英語圏の大学への偏りがなくなって、もっと僕が納得できるランキングになるはずです。

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