2008年11月30日日曜日

No special training

アメリカに特別な教育プログラムが存在していて、それを受けると、能力が大幅にアップするという気持ちでアメリカの大学院にくると、肩透かしをくらうかもしれません。なぜなら僕のように4ヶ月間留学する人に向けて、何か特別なコースがあったわけではないからです。研究室は自由でトレーニングはないし、授業は全くない、英語をあまり話さずに、そして何も研究をせずに生活できてしまいます。

1.研究室
(a) 先生
基本的にアメリカの研究室の先生は、あまり管理しないそうです。僕が所属していた研究室の先生は、子どもが生まれたばかりで、週に2回しか学校に来ていないこともあって、先生との接点はあまりありませんでした。子どもが生まれる以前から、全く学生を管理しない先生だそうです。ということで、特別に何か教えてもらったことはありません。

(b) 研究室の仲間
基本的にみんな個人行動をしていました。研究室の仲間で一緒に食事に行ったりすることは、非常に珍しかったです。朝来たときや帰るときに、わざわざ仕事を中断させて挨拶することも稀です。みんなの仕事を邪魔しないようにとの考えです。そして、いつまでもダラダラと研究室で話していることもありませんでした。話すときは、研究室の外で話していたような気がします。これも日本と全く違うかもしれません。

(c) 研究室教育
僕のいた環境では、待っていたら、向こうから教えられることもありませんでした。自分で考えて、人を選んで聞いていく必要がありました。「研究の進め方」、「仕事の進め方」、「文書の書き方」、「デバイスの設計方法」を教えてもらったことは皆無です。こういうのは、日本だと、待っていても、教えてくれることがありました。そういう意味では、日本の方が丁寧なのかもしれません。

(d) 研究室ミーティング
一般的な研究室では、1年に2, 3回自分の研究を発表するぐらいだそうです。毎週ミーティングの度に発表する必要がある研究室というのは、かなり珍しいようです。その珍しい研究室とは、日本出身のMITの先生のところだそうで、その研究室はMITの学生には、人気がないそうです。僕の研究室は、アメリカでもめずらしいことに、研究室でのミーティングは全くないそうです。アメリカに来るまで気が付いていませんでしたが、ミーティングの回数が多いのは、アジア的なものなのかもしれません。

2.授業
僕のビザだとMITの授業をとれないタイプのものでした。そして強制で何かの授業をとらないといけないこともありませんでした。クリーンルームに入るために、Web上でのトレーニングはしましたが、それだけです。

3.英語
(a) 英会話
ネイティブの友達は作りにくく、英語を長時間話す環境を構築するには、少しエネルギーが必要です。ネイティブの人が、「英語がうまく話せない僕のような人」と付き合う義理がないからです。加えて、授業もないので、短期で留学する人にとって、英語がネイティブの友達は非常に作りにくいです。何も手を打たなかったら、英語を話さないままに時間が過ぎていきます。僕の知り合いのボストンにいる日本人は、MITに来てから1年間、実験ばかりしていて、ほとんど英語を話さなかったので、英語力も上がらなかったそうです。

(b) 英語の授業
MITには、英語があまりできない人を対象にした英語の授業はありませんでした。どこかの学校に行かない限り、英文法、英単語、英作文、英文読解、リスニング, etc.の授業はないです。


留学して、何かを学びたいと思うなら、主体的に動かなければいけません。MITの僕のいた環境は、みんな自由に個々人で生活しており、日本にいたとき以上に自分から動き出さない限り、何も変わっていきませんでした。アメリカに来て、アメリカで一人で孤独に生活していると、何も得られないので、注意が必要です。この環境の中で、僕は何を得て、何が変わったのでしょうか?客観的な数字があって、留学の達成度をはかってくれるテストがあると便利ですね。

2008年11月29日土曜日

Bostonの水族館、New England Aquariumで、不思議な生き物たちに、出会った

昨日は、友達とBostonの水族館、New England Aquarium へ行ってきました。 入場料は大学生で$17.95もしました。結構高かったですが、変わったものをたくさん見られたので、行った価値はありました。動画をたくさん撮りました。その中から、不思議な動きをしていると思ったものを、6つ厳選してアップしておきます。

Cuttlefish(イカ)です。誰かの発音入り。

Turtle(亀)です。これも誰かの発音入り。


Balloonfish(フグ)です。

Seahorse(タツノオトシゴ)です。

Ray(エイ)です。

最後は謎の魚です。

なぜこの動きをしているのかものすごく気になるところです。

2008年11月28日金曜日

英語漬け

僕はボストンにいたときは、英語を使う時間をできるだけ増やして、英語を勉強しました。英語を使う時間を増やすために、種々の方法で、日本語でのやりとりを減らしました。極端なぐらい日本語で話すのを避けていました。ただ日本は好きですし。日本を避けているわけではありません。

そうした理由は、アメリカに来たときに、全然英語が分からなくて、この英語力では死んでしまうし、不利益を被ると思ったからです。なので生き残るためには、急速に英語力を上げる必要がありました。その英語力を上げる目的を達成するために、行動に反映させました。

具体的に英語力を上げるために、以下のことをやりました。まず英語話者の人と積極的に関わるようにしていました。そのためにあまり日本人との集まりには参加しませんでした。その回数は、多くて月に1回ぐらいでした。そして日本語の情報源を減らしました。邦楽は聴くのを完全に止めました。さらに日本語のテレビ、ドラマ、映画、アニメ、本は見ないようにしました。全部それを英語に変えました。日本語のソフトウェアも減らして、英語にしました。

結果としては、そうすることで英語力も上がったと信じています。しかしこれだけ努力しても、アメリカ人や周りの留学生に比べると、英語はまだまだ本当に下手なままです。悲しいことに、僕は4ヶ月間アメリカに住んでいて、英語がうまくなった、英語がうまいとは、ただの一度も言われたことがありません。みんな正直ですね。英語は、アメリカに住んで英語漬けの環境にしたとしても、うまくなるには5, 6年はかかりそうです。

2008年11月27日木曜日

アメリカにいたときの毎日の食事

僕のアメリカにいるときの食事は、偏食といえるかもしれません。

毎日よく食べているのは、以下のものです。ベーグル、フォー、チーズ、豆腐、ヨーグルト、りんご、トマト、たまねぎ、人参、ひよこまめ、鶏の胸肉、シーチキン、ソーセージ、スープ、水、豆乳、コーヒーとかです。かなり厳選していまして、これで通常摂取量の8割は占めています。あまり面白くはないのですが、そういうものを食べている限り、食べて疲れることはありません。外食すると、リズムが崩れて、疲れてくるので、かなり気を付けています。人と会うとき以外は、外食はしません。

今までいろいろなアメリカ料理にチャレンジしてきましたが、基本的に、アメリカ料理を食べるのが苦手なままです。まず量が多すぎます。そして野菜とスープが少なく、肉が多いのも苦手です。ハンバーガーもピザもポテトもあまり好きじゃないのです。また油っぽいもの、甘すぎるもの、甘い飲み物が多いです。消化するのに疲れたり、血糖値が急激に上がりすぎるのが気持ち悪く感じます。

僕の場合は、物足りないと思うぐらい少なくて、もっと素朴な感じのものの方が好きです。また少食な人と外食に行くのは、疲れなくて非常にいいですね。

日本人宅でThanksgiving dinnerを食す

今日は韓国人と一緒に、日本人の家へ、Thanksgiving dinnerを食べに行きました。友達の韓国人に「一緒に行かないか?」と誘われたからです。彼の車に乗って、ボストンの西側の街に行ってきました。彼の奥さんも一緒でした。

まず失態したのが、急に(今日の朝)呼ばれていったのと、今日はThanksgiving dayでお酒を売っている店がやっていなくて、何も買わずに出かけたことです。家に、人にあげられるものを置いていなかったのです。しかしパーティーに呼ばれたときは、何かを持っていくべきでした。うーん。もっと先読みする力があれば…。

参加者は、10人いまして、香港人が1人、韓国人が2人、ロシア人が1人、日本人が6人です。こういうときの会話は英語+日本語です。集まっている外国人が日本好きなので、ときどき日本語になります。さすがにみんなアメリカに数年間住んでいたのもあって、英語が非常に滑らかです。それに比べると、僕はまだまだだなあと実感しました。スピードも遅く、発音も悪いですし、使える表現も少ないです。日本に帰国後も、もっと英語の勉強が必要です。

さて食べたものは、アメリカの伝統的なThanksgiving dinnerを再現できているような気がしました。メインは、七面鳥1羽分20ポンド(=9 kg)をオーブンで焼いたものです。ソースはクランベリーソースです。味は、風味が思ったより少ない感じがしました。鶏肉の方がおいしいような気がしました。他にはハッシュドビーフやマッシュポテト、チーズケーキ、パンプキンケーキもありました。それぞれはおいしかったです。ですが、理由はよくわかりませんが、食べた後に、ものすごく疲れてきました。僕の身体には、合わないのかもしれません。そして量が多いので、結局10人で食べても、大量に余ってしまいました。

アメリカから帰る前に、伝統的なThanksgiving dinnerが経験できて、とてもよかったと思います。日本で食べるのは非常に難しそうです。誘ってくれた人と、作ってくれた人には感謝です。

2008年11月26日水曜日

昔在籍していた研究室の話  気合でゴー!

大学の研究室は、研究室を運営している先生の性格次第で、どのようにも変わります。僕は今までで、共同研究をしたことが多いこともあって、裏の事情まで含めて10研究室ほど知っています。先生の性格が異なる以上、研究室のシステムはそれに応じて異なります。僕はその中でもよく思い出すのが、僕が学部・修士時代のときに3年間在籍していた研究室のことです。その研究室を、一言で説明すると、先生が根性の人だったので、気合で実験ばかりする研究室でした。例えばどんな特徴があったかといいますと、以下の特徴がありました。
  1. 何か実験で確かめようとしたとき、全パターン試してみるしかないだろうと、先生はいつも言っていました。
  2. 「口より手を動かせ、手を」という哲学を持っていました。何かあったときも、調べるより、まず実験する。考えるより、まず手を動かすことを指示する先生でした。当然ですが、手を動かした学生の方が評価されていました。
  3. 勉強会を学生同士で企画してやろうとしたとき、勉強するのは意味がない、と先生が強く主張していました。
  4. 土曜日に公式のミーティングを入れて、大学の研究室に来ることを要求していました。
  5. 毎週ミーティングがあって、学生は毎週進捗を発表することが要求されました。
  6. 基本的に学生は主に実験をしてデータをとるだけでした。英語論文が書けなくても、先生が書いて投稿していました。
  7. 先生は、3日で博士論文を書き上げたそうです。通算で、その話を5回ぐらい聞きました。
  8. 平日は夜の11時まで、加えて土曜日も夜まで先生は働いていました。
これはですね、先生が気合重視をしていて、先生の気合で物事がうまくいっていたから、まさに研究室もそのような体制になったわけです。やはり人間なので、一度それでうまくいくと、その成功体験を元に、すべてをこなそうとする傾向があります。これは貴重な1パターンで、非常に得難い経験になりました。

僕は研究室を移動したので、以前いた研究室のよさとわるさを含めて客観的に見られるようになりました。もし客観的に何かを見たいのであれば、複数のモノと比較する必要があります。その意味では、研究室を移動するのはお薦めです。

実験補助体制の違い

アメリカの方が実験を手伝ってくれる人が多いです。もちろん手伝ってくれる人が多い方が、成果(論文)は出しやすいです。例えば僕が見てきた、バイオ系の研究室と、共用のクリーンルームの例をあげます。

バイオ系の研究室では、ガラス器具を洗ってくれる人や、よく使う溶液を作って棚においてくれる人がいます。また細胞の培養を代わりにやってくれる人もいます。

共用のクリーンルームでは、基本的に汎用の試薬やワイプ等はなくならないよう、スタッフによって管理されています。さらに廃液は勝手に排出してくれます。試薬がなくなった場合は、電話をするだけで、なくなった試薬を運んできてくれます。装置のメンテナンスもする必要がないです。

その一方で、日本の研究室は、実験を手伝ってくれる人があまりおらず、使う人自身で色々な物事を管理する必要があります。これでは、日本人がたとえアメリカ人と同じ能力だとして、同じ時間だけ働いても、同じ成果(論文)にはつながりませんよね。労働時間が長くなりやすい要因の一つですね。

物に苦しめられる日々 (段ボール探しとクロネコヤマトでの発送)

今日の朝、アメリカのクロネコヤマトを利用して、自分の荷物を、日本に向けて24.5 kg分発送しました。別送品という扱いで送りました。段ボール探しから始まって、荷物を梱包して、税関審査用に書類を埋める作業は、結構時間がかかりました。

まず宅急便を送るために箱が必要でしたが、自宅には、十分な箱がありませんでした。それで荷物が入りきる段ボールを近くのスーパーに行って、もらってきました。Amazon.comで買ったときについてきた箱では小さくて、その中に全ての荷物が入りきらなかったのです。

朝7時に起きて、段ボールを取りにいきました。昨日の夜にスーパーに行ったら、「段ボールは全部機械でCrushされたので、ないよといっていて、朝の7時なら千個はある」と言っていました。それで朝にスーパーに行くと、その時間帯は、品出しをしている関係で、大量の段ボールがありました。店員に、適当に、「Turkey(七面鳥)の段ボールがそこにあるよ」といわれたけど、血がついていたのでやめて、無難なScottの箱になりました。大きさは3辺合わせて140 cmぐらいでしょうか。

それからその段ボールを使って、一生懸命梱包していたら、あっというまに朝9時になり、クロネコヤマトの人(日本人)が自宅にまで受け取りに来てくれました。これは頼んでいた時間きっかりです。取りに来てもらえるのは、だいぶ楽ですね。僕より先に帰国した韓国人は、彼の友人に頼んで車を使って、配送センターまで運んだそうなので。

25kg制限のところを、24.5kgで通過しました。体重計を持ってきていて、ちゃんと測ってました。主要な内容物は、本です。28冊もあります。細かい服を、梱包材に使いました。他に少し面倒くさかったのが、実験用品です。

クロネコヤマトの人曰く、実験用品は例え安全なものだとしても、税関審査にひっかかりやすいとのことです。シリコンウエハーを送るといったら、会社に問い合わせていました。そして正直に熱収縮チューブと書いておいたら、括弧書きで、プラスチックのチューブになりました。こういうときは正しさよりも、無難な方を書くべきですね。

書類を埋めたり、税関を通過するときの説明を受けたので、30分程度かかりました。費用は、全額で$196でした。その場でクレジットカードで払いました。カード社会は便利です。

昨日と今日は梱包と発送で、大量の気力を使ってしまいました。引越しのときは、とくに物の取り扱いに苦しめられますね。所持品がもっと少なかったら、時間と気力をこんなに使うことはなかったはずです。これからも引越しすることは確実なので、もっともっと持ち物を減らす必要があります。逆に言うと、引越ししない人は、物がなかなか捨てられないのかもしれません。

2008年11月25日火曜日

大遅刻と生活のリズム

今日研究室のみんなとランチを食べに行きましたが、大遅刻してしまいました。研究室で11:30に会う約束だったのに、自宅で12:00まで寝ていました。そこからダッシュで研究室に向かいましたが、着いたのが12:30で、一時間も遅刻してしまいました。非常に申し訳ない気持ちになりました。これは僕にとってはかなり珍しいことです。アラームを2回セットしたのに、全く起きもしなかったのです。

原因は、変則的な睡眠スケジュールとカフェインです。まず午前1時に寝付いた後、一旦午前3時に起きて、家に来ていた妹を4時にタクシーで送り出しました。その3時から4時の間にお腹が空いたので、コカコーラZeroを飲みましたが、カフェインが大量に含まれていたので、目が冴えて、眠れなくなってしまいました。それで8時まで起きていました。8時に寝て、それで昼の12:00まで目を覚ますことはありませんでした。しかし、日々のリズムが狂うときは、信じられないミスを起こしやすいですね。

意識していませんでしたが、人との約束を守るためには、規則正しい生活が重要ということです。なので今後の対策は、できるだけ生活のリズムを保つということです。カフェイン飲料を飲まずに、すぐに寝られるよう考えておくべきでした。今後大失敗しないように、約束がある日は、いつもよりも生活のリズムを保てるよう心がける必要がありそうです。

アメリカのいいところは、食べ物を分け与えることに対して懐が広いところです

アメリカのいいところは食料が豊富にあって、食べ物を分け与えることに対して懐が広いところです。

MITでは、何かイベントがあると、タダでご飯やお菓子が出ます。セミナーが昼にあるとランチになって、3時ぐらいにあるとお菓子、夜にあるとディナーになります。このイベントに、何か厳しい受付があるわけでもなく、参加資格も厳密には問われません。

MIT内のタダでご飯が食べられる場所の情報を配信しているメールマガジンもあるそうです。それらのイベントを渡り歩けば、食費が全くかからない生活も可能です。

また大量に注文したものが、余ることも多く、消費するために、余ったピザやケーキ、クッキー、チーズ、コーヒーなどがMITの廊下の机の上に置かれているのも頻繁に見ます。道行く人が何か食べているので、そこに食料があるのが分かります。先生が食べられなかった大量の食料が、研究室のキッチンに置かれているのもありふれた光景です。学生ですら、セミナーで食べられなかった大量のお菓子を置いていきます。

アメリカで、食べ物があんまりおいしくないかもしれないのと、太る可能性が増えることを除けば、気楽でいいですよね。他者に食料をあげることに関して、とても寛容です。

一方で、日本の大学では、何かを食べるのにもっと敷居が高いです。たまにタダのご飯が出るぐらいで、その頻度はもっと低いです。また僕は、日本には、「働かざるもの食うべからず」という思想があると感じています。何も貢献していない人は、食べてはいけないという潜在意識があります。廊下の上に、自由に食べてよいという食料が置かれているのを見たことがありません。珍しさのあまり、もし置かれていても、怪しくて食べられないですね。食べ物を分け与えるという点では、懐が狭いのかもしれません。

2008年11月24日月曜日

クロネコヤマトに集荷を依頼する

アメリカのクロネコヤマト電話をして、今週の水曜日に日本宛荷物の集荷を依頼しました。金曜日に集荷を頼もうとしていましたが、今週の集荷はなんと水曜日までです。(つまり明後日!)そして水曜日の朝9時に集荷しにきます。今週は、木曜日からThanksgiving Day(感謝祭)という祝日なので、いろいろな施設やサービスがお休みになります。今日、月曜日に問い合わせておいてよかったです。

Thanksgiving Dayに加えて、アメリカのヤマトは土日も休みです。なのでアメリカのヤマトは、日本のヤマトに比べると、恵まれた生活を送っている感じがします。僕は土日も祝日も休んだ方が余裕のある生活ができると思っているので、休みの観点からは、アメリカで働くのもよさそうですね。

今日と明日で全部荷造りしないといけないので、いろいろと回収してきます。ほんの少しだけ慌しくなってきました。

2008年11月23日日曜日

Netflix退会

帰国も近づいているので、3ヶ月近く利用して、Netflixを退会しました。短い間でしたが、Netflixには、概ね満足しました。

Netflixのいいところは、3点です。オンラインDVDレンタルの特徴である、レアなDVDがそろっている点です。そして借りにくいDVDは殆どなく、新作以外は、リストに登録したDVDの一番上から順次発送されてくる点です。さらに1度に3枚借りられるプランで、月に$16.99なので、割安感がある点です。

Netflixを利用する上での問題は、配送と処理です。うまくタイミングを合わせないと、返却から次のDVDを受け取るまでにすごく時間がかかります。その理由は、アメリカの郵便が日曜日は全く配達と集配をやっていないのと、Netflixが土日は配送作業をしていないためです。例えば、金曜日に郵便ポストに投下すると、自宅のポストで受け取るのが、次の火曜日になります。
なぜなら

  • 金曜日に郵便ポストで配送すると、
  • 土曜日にNetflixへ到着しますが、土日は配送作業はやっておらず、
  • 次の月曜日がNetflixの配送作業
  • 火曜日に自宅ポスト到着

になるからです。

一方で、もし木曜日に郵便ポストに入れると、金曜にNetflixの発送作業、そして自宅のポストで受け取るのが土曜日となります。この木曜と金曜、ポストに返却する一日の差が、大きな差となって現れてきます。

この配送と処理の問題の欠点を差し引いたとしても、アメリカに中長期で滞在される際は、利用してみるのはお薦めです。北米版のDVDには、日本語の字幕と吹き替えはついておらず、意地でも英語で見て聞くしかないという状況で、英語の勉強にもなりますしね。

2008年11月22日土曜日

アメリカでのポスドク

アメリカでは、大学院生のときにトップクラスの雑誌に、成果を2,3報載せた人は、大学で先生になれたりするようですが、大多数の人は、ポスドクを経験した後に、先生になります。そして先生になったとしても、いつ首になるか分からず、勝ち残るための厳しい競争が、十年以上続いていきます。

さてMITにいる友達が博士課程を終わった後、ポスドクで働こうとしていまして、色々と先生に問い合わせたり、ポスドクの給料を提供してくれる組織に、応募しています。まだ彼は博士号をとっていませんが、博士号をとる半年以上前から、すでに応募を始めています。

僕は、まず給料が気になってしまうので、その彼に、「アメリカのバイオ系のポスドクの給料はどのくらい」、と聞きました。年収3万~4万ドルと言っていました。僕はもっと高いことを期待していましたが、それだと日本円で年収300~400万円の勘定です。これを聞いて、お金の観点からは、アメリカにバイオ系の研究室にポスドクで行くのはためらいました。なぜなら、このアメリカのバイオ系ポスドクの給料と比較して、日本の工学系のポスドクの給料は、年に600万円ぐらいと、もっと高いからです。給料が低いのはかなりのモチベーションダウンですね。

僕の感覚としては、博士号を持っていて、それで300~400万円の給料だとすると、結構低いと感じます。なぜかというと、その給料で、ボストンで暮らすと、家賃でかなりの額を持っていかれて(一人暮らしすると月に15万円ぐらいかかる)、貯金もあまりできないからです。アメリカで産業界にいったら、もっと短く働いて、もっとお金が稼げますね。同期と賃金を比べたときに、自分一人だけ給料が低いと、ちょっと嫌になるはずです。これでは、アメリカ人で研究者になりたい人が減り、留学生が研究者になる構図になるはずです。アメリカで移民が止められないのは、安い給料で働いてもらう人を受け入れて、残りの層が楽をするためだと聞いたことがありますね。なるほど。

しかし近年では、その給与にも関わらず、バイオ系では、結構な数の人が、日本から、アメリカでポスドクになるために、渡米していると聞きました。その理由はおそらく3つあります。1つめは、ポスドクの供給過剰で、ポストの空きに対して、応募者が多すぎるから。2つめは、アメリカの方が成果を出しやすいから。3つめは、アメリカでの経験がアピールポイントになるからです。工学系からバイオ系には来ない方がいいと、複数のバイオ系の人に諭されるぐらいなので、結構競争が厳しい世界のようです。

楽しい仕事をしようと心がけるのも大事ですが、そろそろお金を優先することも大事に思えてきました。その両方が達成できる戦略が思いつけば、一番よいのですが、なかなか簡単にはいかないようです。

IKEA製品に囲まれたお部屋

今住んでいる部屋は家具付きの部屋で、そこにおいてある日用品と家具、ほとんど全てのものがIKEA製品です。例えば、20点近くある食器のほとんど全てはIKEA製品で、ベッドもIKEAですし、ランプもIKEAです。これだけIKEA製品があると、よさとわるさが短い生活の中からでも見えてきます。

IKEAのよいところは、シンプルさです。無駄なものが省かれていて、モノトーンなので、同じ色調でまとめやすいです。値段の安さも魅力でしょう。(実際に僕が、買っていないので知りませんが、IKEA船橋を見る限りでは、値段は安いと思います)

IKEAのわるいところは壊れやすさです。とくにガラスの割れやすさは致命的です。卓上ライトを絨毯の上に30cm落下させただけで、外側のガラスケースが割れてしまいました。ガラスコップの上に棚からテフロンのフライ返しが落ちただけで割れました。あまり堅くないものと衝突させたときに、ガラスが割れてしまうのは、ちょっと嫌かな、と思います。

IKEAで日用品をそろえると、IKEAが壊れやすい以上、すぐに補給できる体制を整えておく必要があります。安さとシンプルさが魅力ですが、製品の寿命がそれほど長くないので、壊れたらすぐ新しく買い直す必要があり、買い物の頻度が高くなるのが問題かもしれません。

2008年11月21日金曜日

実験も一段落

一応留学期間中に、目標としていたことができて、実験も一段落しました。今週中に結果が出たのでうれしい限りです。

今回の勝因は、

  1. 問題発見と解決のプロセスが早くなった。
  2. 一人ではまりこまず、困ったときは、よく知っている人の力を借りた。
  3. 問題発見と解決につながらない無駄な実験はやらなかった。
  4. よく働いた。

です。以上のことは才能じゃなくて、単に習慣の問題なので、物事がうまくいくように自分の習慣を直しただけです。しかし習慣的なことが、ものすごく効果的でした。

ようやく自分で目標を定義し、それに向かって改善を繰り返しながら、目標に到達するプロセスが身についてきました。自分で言うのもおこがましいですが、ここにきて、博士としての力がついてきたかなと思います。

今回はよく働きましたが、もっと考えるプロセスを磨いて身につければ、無駄な実験と働く時間をもっと減らし、より少ない手順で、求める結果にたどり着けるはずです。これは帰国後も改善していくべき課題です。

きちんとした投稿論文にするには、もうちょっとデータが必要ですが、今回の結果は、博士論文の1章分にはなりそうで、ほっとしています。このペースで1年間研究室にいたら、きちんとした投稿論文を2本ぐらいは書いて投稿できそうです。来るかどうか別として、ポスドクという身分でアメリカにきても、なんとかなりそうな感触をつかみました。大変よい留学になっていると思います。

顔認識で勝つ

賢い人に、どの分野なら勝てるかと考えていました。それで昨日歩いていたら、その(以前紹介した)賢い人に2人すれ違いました。僕はその人たちを気が付いて、ちょっとしたシグナルを送りましたが、なんとその人たちは全く僕の存在に気がつかず去っていきました。僕はそのとき、そうか、顔認識能力なら、賢い人にも勝てると思いました。

僕は顔を覚えて、それを認識する能力が高いという自負があります。一回でも5分以上話したことがあると、大体覚えてしまいます。でも他人は違うみたいで、僕が覚えていて、こちらから挨拶しても、素通りされたりします。また僕から話しかけても、向こうは覚えておらず、どこで会ったか話して、自己紹介する必要があったりします。こういうのを繰り返す内に、みんななかなか顔を覚えられないし、気が付かず通り過ぎるものなんだなあ、と認識するに至りました。

それで僕は、空間を認識する右脳的な考えの方が競争優位なのでは、と思い始めました。計算は割と得意な方だったので、今まで左脳的な考え方の方が得意だと思っていたのですが、本当に強みが発揮できるのは、実は右脳なのかもしれません。右脳を活かした仕事の進め方ができれば、トータルではあまり負けない気がしてきました。さてさてこれからが本番です。

折り紙アーティストBrian Chanと一緒に出かける

MITの大学院生で、僕の友達の友達のBrian Chanに初めて会いました。知りませんでしたが、彼は折り紙の世界では、有名人らしく、日本でも名前を知られているようです。実はそんな人が、MITで、僕と同じ部屋に在籍していたのです。

Brianは日本に2回も行ったことがあり、日本好きだったのか、不思議な縁で、一緒に出かけることになりました。彼と、美術館(ICA)に行って、その後、チャイナタウンで夕食にも行ってきました。道中で、MacBook AirとかiPod touchを使って作品を見せてもらったり、折り紙を折る手順書のラフスケッチを見せてもらったりしました。その作品を作る手順は複雑で、Brianと同じことができるとは、露にも思いませんでした。一芸に秀でた人に会い、その分野の話を聞くのは、世界が広がってうれしいものです。

Boston界隈は、才能がある人と簡単に出会えて、毎日が刺激的で楽しいです。またいつかBostonに来るのもいいアイデアだと思い始めています。

折り紙アーティストBrian ChanのWebsite
http://chosetec.darkclan.net/origami/

2008年11月19日水曜日

大学院生のお金の話

MITの大学院生のほとんどは、指導教官から、授業料と生活費を出してもらっています。授業料を年$34,750=350万円ぐらい。それに加えて、生活費として、平均月に$2000=20万円ぐらい出してもらっています。それで年の総額で600万円ぐらい費用を出してもらっていると思います。そして日本で言う、修士課程のときからすでにお金を出してもらっています。

一方で、日本のことを書きますと、授業料は基本的に自分で出す必要があります。国立大学だと、年50万円の授業料を自分で払う必要があります。そして学振の特別研究員に採用されたりして、恵まれた人だけが、月に20万円もらえます。修士課程のときは、基本的に、給料はもらえません。博士課程に入ってから、お金がもらえます。日本でも、一昔前は、授業料を払いつつ、無給で働くのが普通だったみたいなので、かなり待遇が改善されたと聞いています。

まとめると、
  • 授業料: MITでは出さなくていい。日本の国立大学だと自分で出す必要がある。
  • 生活費の期待値: MITの方が高い。日本の国立大学では、10万円ぐらい。うまくやらないと月に20万円もらえない。
  • 受給期間: 大学院の始めからもらえるMITの方が長い。日本の国立大学では大学院の博士課程からしかもらえない。
となります。

実は、お金の面で考えると、MITの大学院に行く方が、たくさん出してもらえそうです。国同士で、どうして待遇に差が生まれるのか、僕はよく分かっていません。日本では、人件費よりも装置や箱物にお金を使う思想、研究費に人件費を計上できない、教えてもらっているのにお金をもらうのはけしからんという考え、やりたいことをやっているんだからお金を出す必要はないという考え、もしくは大学院生軽視の社会構造があったのかもしれません。もしこのような認識があるならば、一気にシステムを変えるのは難しそうですね。

2008年11月18日火曜日

1個目の器

釉薬を塗って、火にかけまして、それでついに1個目の器が完成しました(写真参考)。まだまだ下手だとはいえ、最後のプロセスまで完了して、完成品を手に入れたときは、さすがに感動するものですね。

あと作りかけのやつ(仕掛け品)が、6個ぐらいあって、これ日本に帰国するまでに、終わるのものだろうか?と思います。もどかしいのが、粘土を乾燥させるのに、1週間以上時間がかかるのと、粘土を2回焼く必要があって、それを待つのにそれぞれ1週間以上待つことです。こういうのを考えると、もう新しい作品は作れませんね。

陶芸は結構面白いので、日本に帰ってもやりたいのですが、問題は日本で陶芸をやる費用です。MITでは、$85払えば、授業も受けられるし、粘土や陶芸の設備を使い放題です。MITという環境は、恵まれていて、とてもよかったです。しかし日本で陶芸をやろうとしたら、おそらくそんなに安く受講できないのだろうと踏んでいます。日本でも、何とかいい場所が見つけて、続けていきたいです。

1個目の器

2008年11月17日月曜日

まとまりがある文書を作って価値を高めたい

個人的な想いとして、できるだけ価値があるものを作りたいという価値観があります。それで日々の思い付きを書いたBlogを、またWebsite等で違う文書の形にまとめ直して、価値を高めたいと思っています。その方が読みやすく、情報としての価値があるはずです。

Blogは、毎日のことを書いていける利点があるものの、個別のばらばらの考えが、日々変わって登場して、トータルとして何が言いたいのか分かりにくいです。これは僕が書くBlogには、顕著に現れています。書きたいことを書くと、毎日違う内容になってしまいます。また以前はこう考えてだったけど、徐々に考えが変化して、今は違うとなり、過去を修正できない以上、Blogの中では、内容に整合性がとれなくなっていきます。それが人間としては、普通だと思いますけども。

それで一本筋が通ったものを書きたいとしたら、Blogだけではだめで、今後はきちんとWebsiteを作る必要があります。何かを書く以上は、もっと文書の価値を高くしたいのです。

2008年11月15日土曜日

義務教育でMP3プレーヤーを配ろう

英語が聞きとれず、一方的にこちらから話すだけでは、会話が成立しません。しかしながら、義務教育で英語の授業を受けるだけでは、英語が聞き取れるようにはなりません。なぜなら英語を聞く絶対量が不足しているからです。本当に英語ができるようになりたいなら、英語を聞く絶対量を増やし、聞いて理解できるようになる必要があります。

僕はこの英語が聞き取れない対策として、義務教育でMP3プレーヤーを配る案を思いつきました。
  • MP3プレーヤーは、従来のハードであるラジオ、カセット、CD、MDに比べ、はるかに聞きやすいです。小さくて軽く、稼動部がなく壊れにくいです。
  • 価格の件に関しては、安いMP3プレーヤーは、1GBで3,000円ぐらいなので、学生全員に配っても、大した額になりません。
  • 教材を入れ替える手間もなさそうです。1GBあると、128 kbpsで、1000分近く録音できるので、1年分の教材は全部入ってしまうからです。
昔は、ハードウェアの価格が高く、簡単には利用できず、英語の聞き取る勉強がしにくかったのでしょう。しかし今ここにきて、ハードウェアの価格が劇的に下がり、昔に比べ、英語音源を聞きやすい世の中になりました。MP3プレーヤーを利用して、英語の聞き取りを勉強しない手はありません。

(この案を取り入れてくれる人はあまりいなさそうですが、一応書いて残しておきました。)

Nativeの人が語彙を増やす方法 Merriam-Webster's Vocabulary Builder

英語のNativeの人が、広範な語彙を持つに至るには、当然そうなった理由があるわけです。僕が聞いたところによると、その理由には2つあります。1つには、学校で、Vocabularyを増やすためのテストを受けるから。もう1つは、SAT(Scholastic Assessment Test, 大学進学適性試験)というものを受験するために、試験対策として、Vocabularyを増やすためです。そのときに使った本が、「Merriam-Webster's Vocabulary Builder」という本と聞きました。

僕は上記の本を読むように友達に薦められて、その本をもらいました。ぱっと目を通してみると7割ぐらいは知らない単語です。そして、この本、500ページぐらいあって、アメリカにいる内には全く読み終わる気配がありません。Nativeレベルの英語に到達するには、こういうのを読んでいく必要があるんでしょうね。日本に帰国してから、読破したいものです。

2008年11月13日木曜日

韓国にも作文の授業がない。アジア系の人が論文を書きにくい理由。

アメリカに来てからずっと、なぜ自分が論文をうまく書けなかったか、その原因探していましたが、今日もまたその真理に迫るデータを発見しました。論文を書くことが難しいのは、もしかするとアジア的な教育制度に根ざすものなのかもしれません。

昨日韓国からMITに留学しに来ている留学生と話をしました。彼はソウル大学出身だから、韓国ではエリートだと思いますが、韓国でも作文の授業がなく、彼も文書を書く方法を教わらなかったと聞きました。彼が文書を書く方法を勉強したのは、MITに留学するときに、エッセイの試験があって、その対策に勉強したときです。

もし日本と同様に、韓国にも作文の授業がないなら、書くより読むことに重点があるのは、もしかするとアジアの文化圏の特徴かもしれません。このアジアと西欧の教育制度の違いを考えると、今まで起こってきたいろいろなことが、僕には筋道だって理解できてきます。

実験系はできるだけ単純に

Brown UniversityのProfessor Kenny Breuerのセミナーに行ってきました。この人のグループの論文は、以前何回も読んだことがあります。論文を読んで感じたことは、すごく簡単で、単純な実験系しか組んでいないけど、定量的に、しっかり対象が分析できている印象です。僕はそのときこれを見て、このぐらい簡単にしないと、実験というのはうまくいかないのでは、と感じていました。

さて発表の中で、Picassoを引き合いに出して、実験系をできるだけ単純にすべき、との指摘がありました。単純にする理由は、複雑すぎるままだと、対象をうまく調べることができないからです。そしてPicassoを引用した理由は、Picassoの牛の版画が歳を経るごとに、徐々に牛の単純な本質に迫る作風に変化したことからきています。このとき、もちろん細部は無視され、失われるのですが、その代わり、とにかく本質に深く迫れるようになることが重要のようです。

Carnegie Hall

今までたくさんの人を見てきて、サイエンスの実験では、これは誰でもできるだろう、っていうぐらい単純なレベルに落とし込んだものの方が、成功していました。これはやるのは難しいだろう、っていう方法を繰り返し継続して、成功し続けている人は少ないです。できたとしても一回限りだと、科学的な事実としては報告しにくく、論文にはなりにくいです。サイエンスの論文とするには、少なくとも平均値と標準偏差が必要です。

他の人は難しくてできないけど、自分なら簡単な方法を見つけてできるというときに、価値と新しさがあって、成功確率が高くなります。誰でもできるだろうというレベルに落としたとしても、見えないところに困難さが待ち受けていて、簡単にはこなせません。自分でこれは難しいと思っているレベルで始めると、失敗する確率はかなり高いです。

多くの人が実験系を難しくしたままで、実験を始めてしまうのは、どういった理由からきているのでしょうか。それには、3つ理由を思いつきました。難しい問題の中から探す方が、人がやっていない問題を見つける可能性が高いこと。自分ならできると根拠がない自信をもっていること。学校では、難しいことを解いた方がテストの点が高かったことです。

シンプルにしていくことの重要性に再び気が付かせてくれて、Kenny Breuer教授には感謝したいです。難しいから誰も手を出していなくて、そして自分でも難しい方法しか思いつかないのだったら、うまくいく確率は残念ながら高くなさそうです。

Lincoln Center

Everything should be made as simple as possible, but no simpler.

Albert Einstein

2008年11月12日水曜日

「基礎学力を考える」記事の紹介

学力が何かちょっと考えていまして、それで見つけた面白い記事を紹介します。

基礎学力を考える|基礎学力と企業 第50回
オリンパス株式会社
代表取締役社長 菊川 剛 氏
http://www4.kanken.or.jp/company/index50.php
の記事です。

菊川氏の考える基礎学力は、働くときに本当に役立つ学力だと思うので、氏の考えに僕は同意します。文書の論理構成を重視している当たりが、僕がもっとも好きなところな部分です。

基礎学力と企業シリーズには、他にも1-49回まであって、それぞれの学力に対する考え方が違っており面白いです。コミュニケーション力がとりわけ大事という人もいました。僕は個人的には、50回目の菊川氏の記事が一番好きです。

アメリカでは対照実験について中学校から習う

僕の経験に基づいて、「日本の教育では、対照実験について、習わないよ」とアメリカ人の友達に言ったら、アメリカでは、中学校でも習うよって言ってました。それで、実験をやるときに、コントロールをきちんととって実験するように説明されるとのことです。

一方で、僕は、公立の中学、高校、大学ときて、暗記中心の教育を受けたので、論理的に、なぜこの科学的事実が導き出されたのか、それが説明される授業を受ける機会がありませんでした。 つまり科学的方法に関して、教わる機会がありませんでした。

この素養の違いがあって、基礎科学分野においては、いまだにアメリカと日本では差があるわけです。前から言ってるように、作文教育もあって、アメリカの教育は日本に比べ、よりアウトプットにフォーカスしていて、サイエンスには向いていますね。 なんであの大学院生が、科学的手法を使いこなしているかも、よく分かりました。西洋式の教育があったからですね。

絶望した!
さよなら絶望先生 特装版1
キングレコード (2007-09-26)
売り上げランキング: 7424
おすすめ度の平均: 4.5
4 極めだしたら止まらない(笑)
5 アニメ化は難しいと思われた原作を想像以上の出来栄えにしたスタッフの力量に感謝!
4 うーん
5 第2話が最高に良かった。
1 絶望した!

それで、「日本人はアメリカにたくさん留学しているのに、なんで日本の科学教育システムは変わっていないのか?」と聞かれました。一つの無難な答えは、「伝統ある、旧来の教育方式をいきなり変えるのは難しいから」です。日本の教育システムを変えて、日本社会がよくなるかも分からないので、難しいところです。

ユニクロと無印@NY

NY(ニューヨーク)では、他の日本ブランドの店にも寄ってみました。
UNIQLO SOHO

NYにあったユニクロは、日本のユニクロと、根本的に違うもののようでした。扱っている商品も違っていて、価格帯も日本に比べると結構高めです。僕が見た限り、店員に日本人がいませんでした。

MUJI SOHO

無印では、基本的に、直輸入したものを、1.3~1.5倍ぐらい値段を高くして売っていました。なので、品揃えでみると、日本とNYの無印は同じです。無印は日本人の店員の方もいました。

この二つの店とも、NYでも受け入れられて、お客さんがいるのが、すごいと思いました。見た感じ、商売が成り立っているんですね。日本では、値段の安さに関係なく、ユニクロと無印の価値をもっと評価してあげてもいい気がしますね。

2008年11月11日火曜日

生産工学と研究: 論文生産工程を改善する

最近気が付いたのは、研究者を論文を生産する工場と見立て、生産工学の手法で、論文を生産する工程を改善することができることです。

実験系の論文生産までの工程をすごく単純化して考えると、以下のようになります。
  1. 仮説をつくる
       
  2. 実験系構築
       
  3. 実験・解析
       
  4. 論文執筆
       
  5. 論文投稿・アクセプト


このような工程を経て、最後の論文のアクセプトまでいければ万々歳です。

論文のアクセプトまでいかないと、いつまでたっても、研究者としては、評価されません。工場でも、最終製品までつくらないと、儲けにつながりません。仕掛品を大量に作っても豊かになれないので要注意です。働いても働いても、最終製品をつくらないと、評価されません。研究でいう仕掛品とは、試していないアイデアとか、やりかけの実験系、論文になっていない実験データ等です。途中で止めてたままにしていると、働いた甲斐がなく、非常にもったいないです。

実験ばかりこなしても、仕掛品がたまるばかりで、最終製品にはたどりつきません。全体で見て流れをよくすることが大事です。

最終製品までいけるようにして、全体最適を目指すには、生産工程のボトルネックを発見して、そのつまっている点を改善するのが大事です。僕は論文執筆に、ボトルネックがあったので、そこを解消して、少しずつ全体の流れがよくなってきました。日本の教育を受けてきた人は、論文執筆にボトルネックがあることが多いので、そこに気をつけると論文生産までの流れがよくなるはずです。

生産工学を勉強したことも、論文生産プロセスを改善するのに役に立ったりします。僕は全体最適ができていなかったので、こういうことを、もっと若いときに知っていたらと悔やまれます。タイムマシンに乗って、昔の自分に教えてあげたいです。

アートと研究

アートと研究は似ているところがあると思います。だからメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art, New York)とニューヨーク近代美術館(MoMA The Museum of Modern Art )に行って、多くの芸術作品を見たときは、研究をやる上で、大変勇気付けられました。



Piet Mondrian. (Dutch, 1872-1944). Composition with Red, Blue, Black, Yellow, and Gray. 1921.


個人的に、アートと研究は、次の点が類似していると思っています。
  • 個人的な経験や想いを、他人に伝えようとしている。
  • 作品を完成させる必要がある。
  • 作品を発表しないと、評価されない。
  • 作品としてのまとまりが要求される。
  • 作品としてのまとまりや価値は、人が評価を下す。
  • 好きなことをやると同時に、生活のための仕事もする必要がある。
主に、作品を作って、残そうとしているところに、強い類似性があるように感じています。

僕は昔は、研究者と芸術家は全く違う人種かと思っていましたが、よくよく考えると、案外似ているところがあるものです。また似ていると思ってるから、アートやデザインをやっている人と話すときに、僕は波長が合うのを感じます。

一方で、違うところもいろいろあります。アートは、デジタル化することが非常に難しく、基本的に複製できない。研究者の方が分析的で、芸術家の方がより直感的。芸術家よりも研究者の方が生活を立てやすい。などが思いつきます。

アートを見ていると、僕も、生きてる内に何か伝えよう、何を作品を残してから死にたいという、内的な製作意欲が湧きあがってきます。こういうモチベーションは僕にとって大事で、つらいことも耐えられるようになります。お金や他人の評価などにも左右されにくいです。美術館に行くと、こういうやる気が出てくるのでいいですね。

とは言うものの、貧窮していたゴッホを見ると(MOMAではゴッホ展をやっていた)、研究でも、豊かに生活する上でも、お金は大事なので、収入の確保も大事だと、密かに考えるのでした。どうしても僕は俗世的なので、この結論になってしまいますね。

身体がアメリカの休むペースになる

今日大学に来たら、休みでした。月曜日が祝日とは知っていましたが、実はMITだけは今日も休みで、土日月火と4連休だったわけです。

早朝のNewbury St.

ボストンにいると、日本の暦で休みをとるより、アメリカの暦で休みをとる方が、リズムに合います。だから今、すごく休みたい気分です。みんな周りを見渡すと、12月に向けて、働くエネルギーを減速させていく感じがします。それは冬や秋は寒さが厳しくて、休まないと、ちょっとつらいからだと思います。

一方で、夏に向けては、より働こうとして、エネルギーを加速していく感じがします。ボストンの夏は過ごしやすい季節だから、休む必要がありません。僕の場合、お盆に休みをとらなくても、疲れませんでした。日本のお盆は暑くて、休まないとやってられませんよね。

アメリカと日本で疲れやすい季節は違います。身体はアメリカの環境に影響され、いつの間にか僕もアメリカの休むペースになってきました。年中疲れにくい季節を維持してくれれば、人はもっと活動できるはずです。

チャイナタウンにある麺の安いお店 HongKongStation

初日、バスで到着した場所は、チャイナタウンでした。チャイナタウンには、おいしそうな店がたくさんあって、せっかくなので食べてみようと思って、まずHongKongStationという、麺のお店に入りました。具材は中華っぽいBeef intestine(腸), Beef stomach(胃)とかもあったけど、やめて無難にChicken wing(手羽)を頼みました。きしめんのようなものに、Chicken wingを載せました。総額、消費税を入れても、たったの$3.00でした。味は、きしめんやラーメンに近いような感じで、結構おいしいかったです。食べたことがないような調味料も入っていて、よい経験になりました。

1) http://www.yelp.com/biz/hong-kong-station-new-york

日本語書籍の本屋さん 紀伊國屋とBOOKOFF@NY

Boston(ボストン)になくて、NY(ニューヨーク)にあるものといえば、日本語書籍の本屋さんです。紀伊國屋は歩いていたら、たまたま発見しましたので、入ってどんな本があるか見てきました。

紀伊國屋書店 New York Main Store (上:1階, 下:地階)

紀伊國屋は、地階, 1階, 2階と3フロア使っていました。最新の日本語の単行本、文庫、コミック、雑誌がおいてありました。それに加えて、日本関係の洋書が豊富です。和書は、日本の定価よりも3, 4割高かったですが、買えたり、立ち読みできるので、恵まれていると思います。Bostonにはありませんので。

BOOKOFF ニューヨーク店

BOOKOFF(ブックオフ)は、1階, 2階と2フロアを使っていました。内容の内訳は、和書と洋書が半々ぐらい。洋書も古本になったりしていました。気になる値段は、定価の半額ぐらいでしょうか。アメリカの本は定価の7割で売っていたりするので、半額にしたぐらいでは、あまり価格競争力がないように感じました。店員は全員日本人だと思います。オペレーションシステムはあまり日本と変わっていない気がしました。

僕は、ときどきでも、和書の取り扱いがある本屋さんに行けると、心が安らいでうれしいです。それでBostonにも、和書の取り扱いがある本屋さんがあるといいなあと思っていますが、日本人の絶対数が少ないので、その望みは適わないでしょうね。日本語の本屋の点では、質と量で恵まれているNYの方が、僕は過ごしやすいです。

NYとBoston比較

NY(ニューヨーク)とBoston(ボストン)は全然違うと言われて行ってきました、NY。たしかに全然違いました。さすがアメリカ最大の都市!行ってきてよかったです。

NYの方が、建築、デザイン、ファッションでは、圧倒的に優れている印象です。都市の密度も高く、たいていのものは何でもそろいます。なので東京が好きな人は、NYも好きになりやすいと思います。観光客も多いです。街中で日本人に会う確率も高かったです。

それに比べると、Bostonは、学問の街という感じがします。Bostonはもっと静かで、落ち着いた感じの街です。都市の密度はより暮らしやすい範囲に収まっています。豪奢なものやハイセンスなものはあまり売っていません。訪れる観光客は、NYよりは少ないです。日本人観光客に会うこともNYより少ないです。

遊ぶならNY、研究するならBoston、という感じでしょうか。

2008年11月9日日曜日

NYでの夕食は、Korean Townで韓国料理

NYでは、いろいろなところを見てきましたが、まず一番書きやすいところから書きます。

今日の夜は、Korean Townにある、Woorijipという店で、韓国料理を食べてきました。この店の特徴は、置いてある韓国料理から、好きなものをとって、トータルの重さで値段が決まることです。たしか重さ当たりの値段は、450gあたり$6.50でした。ちょっとずつ違うものを食べたいのに、向いているシステムです。

夜のKorean Town。ハングルが見える。

夕食で食べた韓国料理。7品目ぐらい載せてました。内訳は、プルコギ、キムチ、イカ、サバ、牛肉、豆腐、鶏肉です。タンパク質が多く、炭水化物が少ないですね。(お店には、トッポッキとかチヂミや、海苔巻きも置いてありました)

僕が頼んだときは$8.37(消費税を入れると$9.07)だったので、600gぐらいとって食べたことになります。僕はいつも600gも食べることはないので、それだけ食べると満腹です。安く、たくさんの種類の料理が食べたい人にはお薦めのお店です。

後で調べると、いろいろなところでも紹介されていました(全部英語です)。
1) http://www.yelp.com/biz/woorijip-new-york
2) http://midtownlunch.com/blog/2007/11/28/woorjip-gets-a-makeover-still-the-best-cheap-korean-on-32nd/
3) http://www.menupages.com/restaurantdetails.asp?areaid=0&restaurantid=4386&neighborhoodid=0&cuisineid=38&home=Y

2008年11月8日土曜日

プラネットアース 購入

プラネットアース DVD-BOX 1 episode 1‾episode 4
ジェネオン エンタテインメント (2006-08-25)
売り上げランキング: 13203
おすすめ度の平均: 3.5
1 買いました、北米版blu ray
1 英国版より格段に落ちる
1 shame on NHK
1 酷いNHK
4 映像は満点以上ですが・・

Amazonでの評価が低いのは、DVDの価格が高いからみたいです。

アメリカで安いものを買おうということで、Amzon.comで、Planet Earth DVDセットの新品を、送料込み2,321円で購入しました。実際に買ったのは、"Planet Earth - The Complete BBC Series"です。同じ映像のものを、日本のNHK版で買おうとすると、合計4万円ぐらいするようです。この価格差はえぐいですね。

ボストンの賢い人たち

ボストンには結構賢い人がいます。東京にいたときも、賢い人はたくさんいましたが、ボストンは世界から人が集まっている分、もっと賢い人が多い印象です。どんな人がいたかというと、必ずしも並列的なものではないですが、
  • 博士課程のときに、Science2本やNature3本を出版した人
  • 数学オリンピックで金メダル3つ取った数学科の人
  • MITでGPA4.5以上のGoogleの女の子
  • 東大航空出身のMITの大学院生
  • 東大医学部出身の研究室を運営している人
  • 東大→コンサルときて、MBAを取りに来ている人

がいました。このような人たちとは、日本にいるときはあまり接点はなかったのですが、ボストンに来て、突然接点ができました。そのうち何人かと話してみると、頭の回転が速くて、まともに勝負したら、勝てる気はしませんでした。いろいろ考えた結果、地頭のよさで既に負けているのだと気がつきました。

僕の場合は、今までの人生で、こんなに賢い人たちばかりに囲まれたことがなく、結構強烈な体験になっています。世界は広いですね。

その人たちの得意な軸(賢さ)で勝負すると、当然負けてしまうので、何か違う秘策が思いつくことを祈りつつ、日々を過ごしています。何か思いついたら、違うステージに進めたってことでしょうね。

2008年11月7日金曜日

優れた大学院生の「考具、技術と性格」

2008年8月6日MITのPh.D. Defenseのときにいた大学院生は、優れた人でした。彼のレベルで、サイエンスもエンジニアリングもできて、かつ人格でも優れている人はほとんど見たことがありません。一緒に研究室に滞在していた時期は8月の一ヶ月間しかなくて、過ごす時間が短かったのが残念でした。人との協調性が高く、協力的で、聞けば、いろいろと教えてくれました。見習いたいところがたくさんありました。

彼は、その協力的な性格に加え、瞬間的に、いろいろな考具(考えるための道具[下のリストの1~9])や技術(下のリストの10, 11)を使いこなし、かなり効率的でした。考具や技術が瞬間的に使いこなせるかどうかは、車の運転と同じで、訓練しだいでどうにかなります。自分も真似したいところがあるので、彼の持っていた優れた能力を、忘れないように書いておきます。

彼が持っていた優れた能力リスト(1~9: 考具、10, 11: 技術)

  1. 行う実験が最小限。目的のことが検証できるデータだけをとろうと、いつも心がけている。Whitesides' Group: Writing a Paperの概念を完璧に取り入れている。
  2. 仮説・検証のサイクルが短く、改善が早いので、すぐに問題が解ける。
  3. システムを組んで、楽をするのがうまい。実験条件のグラフを作っておいて、何回も再利用する、簡単なプログラムを組んで、自動化するなど。
  4. システム全体でうまくいくように考えている。必要でなければ、部分にこだわらない。
  5. 何かを確かめるための対照実験を一瞬で考えて、実施できる。実験で問題が起きたら、すぐにその問題を確かめるための実験ができる。
  6. グラフをつくるのがうまく、定量的にデータをとる能力が高い。そのグラフの色使いは、Natureを彷彿とさせる。
  7. よく絵を描き、その絵は分かりやすい。絵で問題を考えるのがうまい。
  8. 自分で作業することにこだわっておらず、誰が何に詳しいか知っている。
  9. 英語で書くのも読むのも早い。カナダ人だから英語はネイティブ。
  10. ソフトウェアのショートカットを完璧に使いこなしていて、ソフトウェア作業の仕事が早い。Adobe Illustratorを僕の3倍近い速さで操作してたときは、衝撃的だった。
  11. 自分で電子工作、機械工作ができる。ドリルの穴あけぐらいは自分でやってしまう。

これらのリストの項目は、ゆっくりでもそれに気が付いて、実行するのは難しいのに、完全に自分のものにして、瞬間的に使いこなせているところがすごいです。実行スピードが非常に速い(考えずに使いこなすレベルになってる)のが大きなポイントです。「腑に落ちるところまでやるべき」というのは、あまり強調されていないと思いますが、大事なポイントです。

こうなった理由ですが、推測でしかありませんが、優れた人たちからいろいろと真似して、意識して見に付けられるよう、繰り返しトレーニングを行ったからだと思います。僕も、彼のように、彼のような優れた人の真似をするよう心がけたいですね。

NYC(New York City)のガイドブック購入

New York City (Eyewitness Travel Guides)
Annelise Sorensen
Dorling Kindersley Publishers Ltd
売り上げランキング: 100754

この買った本のよいところは、3つあります。

  1. Eyewitnessというだけあって、写真がたくさんあるところです。英単語をあまり知らなくても、写真があって、ぐっと読みやすくなっています。
  2. 扱う内容があくまでNYC(New York City)にフォーカスしていてよいです。New York州の他の地域に行かない僕にとって、無駄な情報がなくてよいです。
  3. 英語書かれていて、読んで、英語の勉強になります。

この英語のガイドブックは、英語圏の人用です。日本のガイドブックと違って、日本人向けの情報は書かれていないです。アメリカの他地域、イギリス、カナダ、オーストラリア ニュージーランドの人向けに書かれた情報が載っています。ぱっと見たところ、バスと地下鉄の乗り方も載っているので、問題はないですね。

行く場所の情報源は、このガイドブックが中心になるので、あまり日本人好みがする地域に行くことはできなさそうです。例えば日本ブランドの店、MUJI, UNIQLO, IPPUDO, BOOKOFFは、載っていないません。事前に自分で補って調べておかないと、行けないです。

英語がある程度できるようになってきなら、英語のガイドブックもまた、日本語のガイドブックとは違う感覚で編集してあっていいですね。

2008年11月6日木曜日

ニューヨークに行かずして死ねない

「ニューヨークに行かずして死ねない」という思いが湧き上がってきました。No matter how busy I am, I've got to go NY. 一度日本に帰ったら、またNYに来ることは容易ではないですからね。

それで今日は、ちょっと時間を使いまして、今週末にニューヨークに行けるように、ホテルとバスの予約をしました。

まずホテルを確保しました。ちゃちゃっと、Reviewのスコアの平均値が高くて、場所がよさそうなところに決めました。僕にとっては、清潔かつタダでWirelessLANが使えるのも大事なポイントでした。税金を入れて$145のホテルになりました。時間があったら、お値打ちなホテルを探したり、口コミを見たりするんですが、今回は、そういうのはしませんでした。

次にバスの確保をしました。会社は、Lucky Star Busにしました。片道で4時間半かかるようです。朝にボストンを出発し、夕方にNYを発つ便にしました。往復で$31でした。

ニューヨークに行って、いろいろ歩き回ってきます。それは今後の人生で、活用できるよい経験になるはずです。

日本へ帰る準備

気が付いたら、帰国まで、あと3週間強しかありません。始まりがあれば終わりがあるわけで、そろそろ帰る準備をし始めました。日本に着いてから、あれをやっておくべきだったと思っても後の祭りです。そうならないように、実験に限らず、帰る前にやることはリストアップしてこなしていきます。

  1. まず日本に戻ったときに、すぐにいろいろなものが再開できるように、いろいろ手を打っておくことです。実験開始にあたって、一番時間がかかりそうなところ(クリティカルパス)を、予めスタートしておくのがよいと思います。アメリカから頼めるものは、もう頼んでおくことにします。
  2. 帰国後に書くべき報告書の類も、書けるところは書いておき、発表も、作れるところは作っておくのがよいはずです。今は書きやすいです。
  3. アメリカで安く買えるものは今のうちに買っておく。
  4. 知り合いたちに帰る挨拶する。
  5. 共同研究者から、学べる手法は全部学んでおく。
  6. 今の研究室で学べる手法は全部学んでおく。デジタルデータ化するとよい。
  7. ボストン近郊で行きやすい場所は、今のうちにいっておく。
  8. ボストンのいろんな研究室を見て回る。
  9. ニューヨークも時間を作って、見てくる。これは、今見ないと、次に行けるのが、いつになるか分かりません。こういうのは、もう期日を決めてしまって、予約してしまうのがいいんでしょうね。そうしたら何をしてでも、無理やり行けるようになりますから。
  10. 作りかけの陶芸の作品は完成させておく。
  11. その他: 日本に帰国するための事務処理たち(銀行口座解約?、大使館での帰国手続き、支払いを全部済ませ、Netflixを解約する)

これだけリストアップすると、もう何をやるにも、全然時間が足りないことが分かりました。

このリスト以外にも、まだ読みきれていない項目があって、他の人が、僕が帰国だと聞いて、何か頼んだり、食事に行ったりしそうなのが、帰国2週間前に、立て込みそうなことです。さらに、何かやろうとしていても、PCが壊れたり銀歯がとれたりクレジットカードが使えなくなったり、予期しないところから、必ず問題が起きます。もしものための余裕時間も含まれた、最高にうまい計画が立てられると理想です。そんなのなかなかできませんけどね。

せっかく立てた計画も、物理的、精神的な限界、社会情勢の変化があって、リストのうち、いくつかは計画変更します。これは当然のことで、2008年9月10日アメリカでもっと英語を学習するためにで書いた5項目のうち、計画変更したのは、4項目!もあります(変更の理由はすべて説明できます)。ここで大事なのが、とにかく頭の中から出してしまって、脳のメモリを無駄に使わないことですね。

2008年11月5日水曜日

Atomフィード廃止

Blogの内容を完全に抹消したいときに不便なので、Atomフィードは廃止にしました。誰かAtomに気が付いて利用してたか知りませんが、とにかく消しました。

Atom
http://ja.wikipedia.org/wiki/Atom

自分の使用率100%

やることが多すぎて、仕事に対する、自分の使用率が100%になっていました。その原因の一つは、日本とアメリカに両方籍があって、双方の期待に応えようとしているからでした。

僕の場合、両方に籍があるので、求められるトータルの成果は、片方だけに所属していたときよりも高くなります。片方だけに所属したときに求められる成果を、100ずつとして、留学割引でそれぞれの成果を60ずつにしてもらったとしても、総和の成果は120になっています。それが普通の人よりもやることが多くなる理由です。

おそらく、日本に籍を残したまま、海外に出てきている人は、同じ状況に陥いりやすいと思います。これに対する対策は?やることを減らせないとしたら、こなす効率を今よりもっと高くすることでしょうか。

CPU使用率100%

僕の大好きなLet's Note W7が、CPUの使用率が100%になったまま、下がらなくなって、動作が通常よりも、非常に遅くなります。症状としては、 以下のものが発生していました。 熱の影響のような気がしています。
  • PCをつけっぱなしにし、ある時間を超えると、CPUの使用率が100%になる
  • その後、PCを切ってから、すぐにつけても、CPUの使用率が100%になったまま
  • しばらく放熱したのちに、再起動すると、うまく動作する
  • 置く場所を、放熱がよいところに変更すると、問題がおきない
  • 動画を見るときに置きやすい
対策としては、もっと放熱のことを意識するということですかね。今まで問題が起きなかったのに、突然、熱に影響されやすくなったのが、ちょっと気になります。

使用率100%

突然CPUの使用率が100%になったり、自分の使用率も100%になったりして、Blogを書くのに支障がありました。それで2日間Blogのエントリができませんでした。忙しくするのは好きじゃないので、なんとかこの状況から、賢く抜け出したいところです。

2008年11月2日日曜日

サマータイム終了記

サマータイムが終了して、時計の針が1時間遅くなりました。これによって、日本とボストンの時差も、13時間から14時間に広がりました。

サマータイムが終わったことに気がついたのは、寝て起きたときでした。まず朝よく寝たはずなのに、ノートパソコンの時計を見ると、まだ朝5時を示していて、ちょっとおかしい感じがしました。体内時計と実際の時計がずれを感じました。さらに他の時計とも照合してみると、ノートパソコンの時間とは1時間ずれていて、サマータイムの終わりを確証しました。

いつの間にサマータイムが終わったかというと、寝ている間のようです。正確には、11月2日の午前2時です。今日の午前2時になると同時に、午前1時に巻き戻されて、再度、午前1時が始まったみたいです。そのためこの日は、午前1時~2時の時間帯が2回あるようでした。ちょっと違和感がありますね。

低機能な時計は、手動で全部調整しなおす必要がありまして、手間でした。僕が直したのは5つだけですが、それぞれ設定方法がすべて異なるので、大変でした。アメリカで生活している人は、持ち物が僕より多いはずで、もっと大変でしょうね。(さすがにWindowsやBloggerについているサイドバーの時計は賢くて、自動的に時間が更新されていました)

今日外出してみたら、街中にある時計は正しい時間になっているものと、そのまま放置してあるものがあって、紛らわしかったです。時間で勘違いすることは絶対にあって、そのためこの日の事故発生率は明らかに高くなっているはずです。

まとめ:
今日一日過ごしてみて、サマータイムの切り替えには、厄介なことばかりしかなくて、それに対し利点はよく見当たりませんでした。

データ整理のよい点

先週の10月28日は、かっこよい微生物の写真を見つけるために、昔のデータをあさっていました。僕の研究に関して、先生に取材があったからです。もし今の状態で記事になったら、僕としてはちょっと気恥ずかしいですね。なぜなら僕はまだ何もやってない気がするからです。堂々と記事に出せるように、びしばしよい結果を出していきたいところです。 今回はまあまあの写真が見つかって、一見落着でした。

さて僕は、このような機会を利用しまして、定期的にデータ整理します。データ整理のよい点は主に3つあります。

  1. 今回のように使えるデータが見つかり、使えないデータが減ります。使えないデータとは、何を意図して実験をしようとしたか、どの条件でその写真を撮ろうとしたかも、思い出すことができないものです。定期的に見ておくと、実験のデータの背景を忘れにくいです。
  2. 検索性の向上。それには2つの原因があります。1つは、何回も見ていると、どこにそのファイルを置いたかが、思い出しやすくなること。2つめは、データを見ると同時に、フォルダ名の配置を変えたり、ファイル名も分かりやすくするからです。
  3. データを見返すことで、新たに気がつくことがあります。今回は、2つのことに気が付きました。まず「2種類の顕微鏡で撮った写真を見比べたときの、その顕微鏡間の性質の差」と「最適な対物レンズの倍率」です。

新しく写真を撮るのも大事だけど、それを使わなかったり、写真を見ても、考えなかったら、働いた分の意味がないわけです。このように定期的に見返したりすると、使える写真が出てきたり、忘れにくくもなったり、新しく気が付くこともあったりして、働きも報われるものです。

2008年11月1日土曜日

アジア系アメリカ人の会で英語しりとり

今日は友達に連れられて、アジア系アメリカ人の会に行ってきました。行ってみたのは、単に、壁にペンキを塗りにいこうと、アジア系アメリカ人の友達に誘われたからです。僕は労働力という扱いだったのでしょうか?

実際に現地に行くと、ペンキ塗りは明日で、今日の作業は終わっていました。着いた場所は、個人商店の、アジア系アメリカ人のための本とCDを売っている店でした。小さいお店で、本は千冊、CDは100枚もなかったです。

そして、その店内には、作業を終えたアジア系アメリカ人が男女合わせて15人ぐらいいました。ノンネイティブだったのは、僕だけでした。他の人は、生まれがアメリカか、幼少期にアメリカに移住した人で、みんな英語のネイティブです。

集まっていた人で、英語しりとりみたいなものを始めました。暇つぶしのために、みんな始めたのでしょう。

このときの英語しりとりのルールは、2つで、

  1. 英語の文の最後に使った単語を元に、次の順番の人が話をする
  2. その話は、ラップのリズムに載せて、ラップ調で話す

ルールでした。

このルールを繰り返し、順番にたどって、3周ぐらいしました。悶絶の難しさです。ネイティブにとっても難しいものは、僕程度のへっぽこ英語の使い手では、歯が立つわけがありません。いい経験にはなったけど、ラップ調の英語がよく聞き取れず、分からないので、面白さがありませんでした。

それで、しりとりが3周する間、ずっとしりとり以外のことが頭の中を占めていました。つまらなさから抜け出そうとして、人の想像力って発達するのでしょうかね。いろいろなことについて考える時間になって、有意義でもありました。

その1時間弱のしりとりが終わったら、僕はすぐに帰りました。