2008年11月30日日曜日

No special training

アメリカに特別な教育プログラムが存在していて、それを受けると、能力が大幅にアップするという気持ちでアメリカの大学院にくると、肩透かしをくらうかもしれません。なぜなら僕のように4ヶ月間留学する人に向けて、何か特別なコースがあったわけではないからです。研究室は自由でトレーニングはないし、授業は全くない、英語をあまり話さずに、そして何も研究をせずに生活できてしまいます。

1.研究室
(a) 先生
基本的にアメリカの研究室の先生は、あまり管理しないそうです。僕が所属していた研究室の先生は、子どもが生まれたばかりで、週に2回しか学校に来ていないこともあって、先生との接点はあまりありませんでした。子どもが生まれる以前から、全く学生を管理しない先生だそうです。ということで、特別に何か教えてもらったことはありません。

(b) 研究室の仲間
基本的にみんな個人行動をしていました。研究室の仲間で一緒に食事に行ったりすることは、非常に珍しかったです。朝来たときや帰るときに、わざわざ仕事を中断させて挨拶することも稀です。みんなの仕事を邪魔しないようにとの考えです。そして、いつまでもダラダラと研究室で話していることもありませんでした。話すときは、研究室の外で話していたような気がします。これも日本と全く違うかもしれません。

(c) 研究室教育
僕のいた環境では、待っていたら、向こうから教えられることもありませんでした。自分で考えて、人を選んで聞いていく必要がありました。「研究の進め方」、「仕事の進め方」、「文書の書き方」、「デバイスの設計方法」を教えてもらったことは皆無です。こういうのは、日本だと、待っていても、教えてくれることがありました。そういう意味では、日本の方が丁寧なのかもしれません。

(d) 研究室ミーティング
一般的な研究室では、1年に2, 3回自分の研究を発表するぐらいだそうです。毎週ミーティングの度に発表する必要がある研究室というのは、かなり珍しいようです。その珍しい研究室とは、日本出身のMITの先生のところだそうで、その研究室はMITの学生には、人気がないそうです。僕の研究室は、アメリカでもめずらしいことに、研究室でのミーティングは全くないそうです。アメリカに来るまで気が付いていませんでしたが、ミーティングの回数が多いのは、アジア的なものなのかもしれません。

2.授業
僕のビザだとMITの授業をとれないタイプのものでした。そして強制で何かの授業をとらないといけないこともありませんでした。クリーンルームに入るために、Web上でのトレーニングはしましたが、それだけです。

3.英語
(a) 英会話
ネイティブの友達は作りにくく、英語を長時間話す環境を構築するには、少しエネルギーが必要です。ネイティブの人が、「英語がうまく話せない僕のような人」と付き合う義理がないからです。加えて、授業もないので、短期で留学する人にとって、英語がネイティブの友達は非常に作りにくいです。何も手を打たなかったら、英語を話さないままに時間が過ぎていきます。僕の知り合いのボストンにいる日本人は、MITに来てから1年間、実験ばかりしていて、ほとんど英語を話さなかったので、英語力も上がらなかったそうです。

(b) 英語の授業
MITには、英語があまりできない人を対象にした英語の授業はありませんでした。どこかの学校に行かない限り、英文法、英単語、英作文、英文読解、リスニング, etc.の授業はないです。


留学して、何かを学びたいと思うなら、主体的に動かなければいけません。MITの僕のいた環境は、みんな自由に個々人で生活しており、日本にいたとき以上に自分から動き出さない限り、何も変わっていきませんでした。アメリカに来て、アメリカで一人で孤独に生活していると、何も得られないので、注意が必要です。この環境の中で、僕は何を得て、何が変わったのでしょうか?客観的な数字があって、留学の達成度をはかってくれるテストがあると便利ですね。

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