2008年11月26日水曜日

昔在籍していた研究室の話  気合でゴー!

大学の研究室は、研究室を運営している先生の性格次第で、どのようにも変わります。僕は今までで、共同研究をしたことが多いこともあって、裏の事情まで含めて10研究室ほど知っています。先生の性格が異なる以上、研究室のシステムはそれに応じて異なります。僕はその中でもよく思い出すのが、僕が学部・修士時代のときに3年間在籍していた研究室のことです。その研究室を、一言で説明すると、先生が根性の人だったので、気合で実験ばかりする研究室でした。例えばどんな特徴があったかといいますと、以下の特徴がありました。
  1. 何か実験で確かめようとしたとき、全パターン試してみるしかないだろうと、先生はいつも言っていました。
  2. 「口より手を動かせ、手を」という哲学を持っていました。何かあったときも、調べるより、まず実験する。考えるより、まず手を動かすことを指示する先生でした。当然ですが、手を動かした学生の方が評価されていました。
  3. 勉強会を学生同士で企画してやろうとしたとき、勉強するのは意味がない、と先生が強く主張していました。
  4. 土曜日に公式のミーティングを入れて、大学の研究室に来ることを要求していました。
  5. 毎週ミーティングがあって、学生は毎週進捗を発表することが要求されました。
  6. 基本的に学生は主に実験をしてデータをとるだけでした。英語論文が書けなくても、先生が書いて投稿していました。
  7. 先生は、3日で博士論文を書き上げたそうです。通算で、その話を5回ぐらい聞きました。
  8. 平日は夜の11時まで、加えて土曜日も夜まで先生は働いていました。
これはですね、先生が気合重視をしていて、先生の気合で物事がうまくいっていたから、まさに研究室もそのような体制になったわけです。やはり人間なので、一度それでうまくいくと、その成功体験を元に、すべてをこなそうとする傾向があります。これは貴重な1パターンで、非常に得難い経験になりました。

僕は研究室を移動したので、以前いた研究室のよさとわるさを含めて客観的に見られるようになりました。もし客観的に何かを見たいのであれば、複数のモノと比較する必要があります。その意味では、研究室を移動するのはお薦めです。

4 コメント:

おにぎり さんのコメント...

集団がうまく機能するかどうかは、"ヘッド"となる人がどういう人であるかによって大きく左右されますね。どれだけ優秀な部下がいても、長がよくなければ、うまくいかないものです(しみじみ)。

1から7を読んだ限りですと、前の研究室はMoemoeさんにとってあまりよくなかったようですね。
よかった点もみつけられているようなので、よろしければ教えてください。

Moemoe さんのコメント...

おにぎりさん、

項目の数を7から8に増やしました。

実は、出せる成果というのは、ヘッドの人によって、決まったりしますね。あまりうまくいっていない組織の場合は、上司が責任を部下に求めたりします。

よかった点は以下の5点です。

1) 根性タイプの先生とは、馬が合わないということに気がついたことです。
2) 気合だけでは、物事が解決するのに時間がかかりすぎることに気が付いたこと。
3) 東京に出てくるきっかけになったこと。
4) 項目1-8を、僕はやらないでおこうと思えたこと。
5) 自分の出せる成果は、環境に左右されると気が付いたこと。

よくなかったことを、よかったことに変えました。

匿名 さんのコメント...

お久しぶりです。
もう少しで再会できるのを楽しみにして待ってます。

丁度来週、他大学院への進学で迷っている学生の相談に乗ることになりました。
何か参考になる話ができたらなと思います。
自分もmoemoeさんと同じで、異なる大学を、異なる研究室を経験したからこそ得られたもの、見えたものがありました。

Moemoe さんのコメント...

しゅんさん、

これはこれは、しゅんさん、おひさしぶりです。12月3日に研究室に行けると思います。みんなにお会いできるのは楽しみです。

しゅんさんなら、経験者として、その方にも、何かいいアドバイスができるんじゃないでしょうか。

さて異なる大学と研究室を見ると、いいことがありますね。自分の視野が広がって、他人に対する理解力と共感力が増えました。それは非常に役に立っています。