2008年9月30日火曜日

研究費の申請がアメリカ大学教員の生命線

先日聞いた柳沢幸雄先生の発表で面白かった部分をまとめて書きとめておく。研究費の申請がアメリカ大学教員(Professor)の生命線という話である。

アメリカの大学の教員の給料のほとんどは、自分で申請して獲得した研究費からまかなわれる。Harvardの教員の給料の8割は、自分でとってきた研究費から出て、残りの2割は、大学からもらえる授業由来の給料である。研究費をとらないと、満足な給料がもらえない。

それで研究費の申請書はどんなものかというと、「こんな研究がやりたいんだけど、どうでしょう?その問題は解決すると人類に価値があるので、僕にお金を下さい」と訴えるものである。

1つの研究費の申請書は50ページぐらい。そして打率(申請して研究費が当たる確率)は2割だから、一年に10件ぐらい出さないと、研究費が途切れてしまい、給料がなくなるという話である。(外れた申請書は何回も使い回すとしても、結構な分量の書類を書く必要があると思う)

それに加えて、柳沢先生がやっていることは、論文を増やすために、研究費の申請書に書いた、1.問題定義、2.問題の重要性と、3.問題の解決方法はそのまま、論文の1.Introductionと、2.Methodに回す。カット&ペーストになるので、書く分量が減らせて、相当な楽ができる。

なるほどー。これは前にも少し聞いたような話だったけど、具体的な数字が分かって参考になり、面白かった。

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

これって、日本もそのうちこうなるんかな?そうならそれまでに研究費が入ってくるループを作っておかないとだね。

Moemoe さんのコメント...

いし斗さま、

K1優勝おめでとうございます。

さて運営費交付金が減って、競争的研究資金の割合が増えてるあたり、アメリカに近づいている気はしますね。
早いうちに研究費が入ってくるループを作らないと、お金に困りそうですね。